本会は、1901年(明治34年)に海法の研究と海法の国際的統一を目的として創立され、1940年(昭和15年)3月18日には逓信大臣から財団法人として設立認可を受け、以来現在に至っています(2012年(平成24年)12月3日に公益財団法人への移行)。この間一貫して、万国海法会(Comité Maritime International: CMI)の会員である国内海法会として、万国海法会等の国際機関や各国海法会と連携してその目的の遂行に当たっています。
万国海法会は、1897年に設立された海法の国際的統一を目的として設立された各国国内海法会を会員とする国際機関です(ベルギーの公益法人であり、会員海法会は現在50)。万国海法会は、1924年船荷証券条約及びその1968年改正議定書(これらをわが国も批准し、これに基づく国内法として国際海上物品運送法が制定されています)をはじめとする多数の海法に関する国際条約の草案を作成すること、海上保険の実務では国際的に広く採用されている共同海損に関するヨーク・アントワープ規則を制定することなどの活動を行っています。近年は、国際海事機関(IMO)や国連国際商取引法委員会(UNCITRAL)において国際条約の草案等が作成されるようになっていますが、これらの機関における草案等の作成作業の開始前または作業中に万国海法会に対して海法に関する専門家の構成する伝統ある国際機関として助言が求められ、あるいは準備作業が委託されることが多くなっています。たとえば、2009年9月にロッテルダムにおいて調印式が開催された新しい国連国際海上物品運送条約(ロッテルダム・ルールズ)についても、国連国際商取引法委員会における正式の草案作成作業が開始されるに先立ち、万国海法会において草案が作成され、これが作業の基礎とされました。
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