万国海法会(CMI)は、2009年に「救助条約に関する国際作業部会」を設置して、1989年海難救助条約に関して、改正を行うことが適当と考えられる条項があるか、否か、という点について検討を開始することにしました。同条約は、1996年に発効しましたが、その特徴は「不成功-無報酬」という海難救助の伝統的な基本原則(1910年海難救助条約もこれに立脚しています)を修正して、救助者に対して、財産救助のみならず、環境損害の防止軽減のために相当な注意をつくすことを義務づけると共に、一定の費用を「特別補償」として認めるというものでした。近年、主として海難救助業界から新たに「環境救助」の概念を導入するという提案が出されており、この点も含めて検討がなされてきました。本小委員会はこの問題について検討するために設けられました(委員長:小林登、報告者:久保治郎)。 (平成22年2月)
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